「人の怒りは、神の義を実現するものではありません。」と聖書にあります。(参 ヤコブの手紙1・20)
怒りは、人間の本能的な感情なので、湧きあがってくるのは避けられません。でも、怒りを表に出してしまうと、よいことはあまりないでしょう。家族や友人、仕事上の人間関係がうまくいかなくなります。
けれども、怒りをずっと我慢していると心と身体は強いストレスを受け続けます。うつ状態にもなるし、様々な病気の原因にもなります。そのため怒りは、仕事や人生にも悪影響を与えるのです。
では、この怒りから解放されるにはどうしたらよいのでしょうか。
例えば、こんな方法があります。
怒りが湧き上がってきたら、深呼吸をゆっくり10回くらいするのです。すると、次第に気持ちが落ち着いてきます。できればその間に、人間がいかに不完全で愚かな存在かを考えてみるとよいかもしれません。
私もまた、些細なことで腹を立ててしまう不完全な者です。
実は、聖人たちもそうであったらしく、謙虚に自分の弱さや愚かさを認め、神のみ前でゆるしを願っていました。自分自身の不完全さを認めれば、まわりの人の失敗や落ち度を責める気持ちが薄れてきます。相手をゆるすことができれば、穏やかな気持ちが生まれます。
ゆるすということは、相手を受け入れること、愛することでもあります。
父である神様は、私たちの罪をゆるし贖うために世に来られました。私たちがゆるしを願えば、いつでもゆるしてくださいます。
何かで怒りやイライラが湧いてきたとき、私もこの神様の慈悲と寛大さを思い出します。すると、弱く愚かな自分もゆるされていることに、感謝する気持ちが湧き上がってくるのです。