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喜びの日

シスター 岩田 真里亜

今日の心の糧イメージ

 我が家には、一度もサンタクロースが来たことはありません。

 だからといってそれで悲しい思いをしたという覚えもありません。それは両親からはっきりと「うちにはサンタクロースは来ない」と言われていたからだと思います。

 母からはむしろ、「クリスマスはイエスさまの誕生日なのだからあなたたちがプレゼントをもらうのはおかしい。イエスさまにプレゼントをあげなければ」と教会のクリスマス会でもらったお菓子ですらも回収され、段ボールに詰めてどこかの誰かに贈られていました。

 この話をするとかわいそうだと言われることが多いのですが、私はクリスマスが大好きでした。何か物をもらうことで感じる幸せよりも、イエスさまの誕生日を祝えること自体の幸せを感じていたし、だれもかれも喜びにあふれてお互いにあいさつしているのがとにかく嬉しかったからです。

 私は両親のこの方針のお陰で、私が今持っている大切なものを、自分よりも必要としている人と分かち合うことの喜びを知ることができたのだと思います。

 これはクリスマスの本質なのではないでしょうか?クリスマスはイエスさまの誕生日。神さまが私たちに何よりも尊いプレゼントをくださった日。神さまが、ご自分の大切なひとり子イエスさまを私たちにくださった日です。

 私たちはこの喜びをどのように分かち合っているでしょうか?私たちは、なかなか自分が持っているものを手放すことができません。よく自分を振り返ってみると自分のものは自分のもの、みんなのものも自分のものになっていることが多いのです。

 キリストは平和の君。平和とは握り込んだ拳を開いて自分が持っているものを分かち合うことから始まるのではないでしょうか?