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喜びの日

黒岩 英臣

今日の心の糧イメージ

 これまで12月が巡ってくるたびに、ベトレヘムの家畜小屋で飼い葉おけの中に眠る幼子イエスのお話をさせて頂きました。そして、このイエスを礼拝しようと、東方の3博士、近郷の羊飼いたちが集まってこの不思議な誕生に参加したことなどをお話しました。そこで、今回は少し違う角度からクリスマスのお話をしてみようと思います。

 ルカ福音書第1章に、ユダヤ教の祭司ザカリアとその妻エリザベトという高齢の夫婦が登場します。(参 1・5~19)

 このザカリアに主の天使が現れ、こう告げました。「恐れることはない、ザカリア、あなたの妻は男の子を産む。その子をヨハネと名付けなさい。その子は多くの人を喜ばせる。彼らを神のもとに立ち帰らせるからである」。と、これは洗礼者ヨハネのことです。(参 1・13~17)

 さて、6ヶ月後に同じ天使ガブリエルは、ナザレというイスラエルの町に神から遣わされました。それは、ダビデの血を引くヨセフの許嫁、マリアのもとへ行き、神のメッセージを伝えるためでした。

 「おめでとう、恵まれた方、あなたは神から恵みを頂いた。あなたは身ごもって男の子を産む。その子をイエスと名付けなさい」と。マリアの「どうしてそんな事がありえましょうか」に、天使は答えて「聖霊があなたに降るからです。生まれる子は聖なる者、神の子と呼ばれます」と告げました。(参 1・28~35)

 お告げを受けたマリアは、エリザベトを訪問しました。すると、エリザベトはマリアに、「あなたの挨拶を聞いて、胎内の子が喜び踊りました」と驚きを打ち明けます。マリアも「私の魂は主をあがめ、喜びたたえます」と深い感動を返したのです。(参 1・39~47)

 ラテン語の「マニフィカト」で始まるこの「マリアの賛歌」には、バッハやビバルディが作曲していることでも知られています。