心躍る瞬間というのは、それほど度々やってくるものではない、と思われるかもしれません。
けれども、小学校の子どもたちにとっては、それはまるで日常茶飯事のようです。子どもたちは、ほんとうによく表情が動きます。隠そうとしないのか、隠せないのか、嬉しいとき、悲しいとき、びっくりしたとき、元気がないとき、聴いてほしいとき、聞きたくないとき、心が生き生きと動いて表情にあらわれます。マスクをしていてもわかるほどです。
そんな子どもたちの中に、いつも、満面の笑みを絶やさない女の子がひとりいます。ほっぺたが落ちそうなものすごい笑顔で、その子の顔を見ているだけで、いつの間にかこっちの顔までほころんでしまいます。特に、今年から高学年になり、みんなを助ける委員会活動に参加できるのがとてもうれしいようです。お願い事にもすぐに「はい!」と元気に答えてくれて、やる気に満ち溢れているのがよくわかります。
きっと、ご家族はこの子に、沢山の愛情をそそいでおられるのでしょう。また、先生たちも、日々丁寧に見守ってくださっているのでしょう。それにしても、あまりにも見事なその笑顔を見ていると、なにかこの世のものではないような気さえしてきます。神さまが、この子の心を踊らせる、この子にしか聞こえない、音波にあらわれないすごく楽しい音楽を、こっそり奏でておられるのではないかと思ったりします。まるで、神さまの愛に満たされたマリアさまの歌声が、この子をときめかせているかのようです。
「わたしの魂は主をあがめ、わたしの霊は、救い主である神に、喜び踊ります。」(ルカ1・43)
どうかこの世界に、このような笑顔がもっと満ちあふれるようにと、祈らずにはおれません。