先日、NHKのテレビ番組「ガッテン」で「リズムパワーの活用法」を見た。
パーキンソン病で急に足が固まって歩けなくなる「すくみ足」が、メトロノームの規則正しいリズムに合わせて歩くとスムーズに歩ける。奇跡のようだ。患者さんも「足がリズムに合わせて自然に前に出る。」と不思議がっていた
人間の魂の奥には様々なリズムパターンが埋め込まれていて、それが人の心を弾ませ、うまく適応できる能力を引き出すのだという。
なるほど、太古から地球上の様々な地域の住民が独自のリズムで太鼓を叩き、歌い踊りながら地域の神を祭ったのも、このリズムパワーの高揚感で住民の心が団結し、外敵を防ぐ力になっていたのだろう。土着した奇祭が今も続いている。
以前、ホスピスのボランティアで童謡を歌っていると、老婦人がふっと顔を挙げて小声で歌いだした。息子さんも一緒に歌う内、彼女の顔が生き生きしてきた。「あんな明るい母を見たのは久しぶり!」と息子さんも喜んだ。
リズムパワーの働きは音楽の形や時代に関係なく、自分の好きなジャンルで楽しめば心が弾み、前向きに生きようとする元気が湧いてくる。
私たちには、好きな事や、独自の能力も、一人一人に違った形で与えられている。これも人間社会の「個」の豊かさを現す素晴らしい恵みだと想う。人にはこのように「うまく適応できる能力」が天与の恵みとして平等に与えられていることを知ると、誰もが自信を持って生きられるのではないか。
「レジリエンス」は【危機的状況への防災力】、また【逆境や挫折から立ち直り、目標に向かって挑戦できる心の状態】などとも言われるがコロナ禍に喘ぐ世界の現状に適応できる能力としてうまく活用したいものである。