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レジリエンス

熊本 洋

今日の心の糧イメージ

 レジリエンスとは、「回復力」「しなやかさ」を意味する英語です。困難な問題、危機的状況、ストレスといったものに遭遇しても立ち直ることができる貴重な力であります。

 人生を生き抜くために絶対必要な要因と言っても過言でないと思います。吹きまくる強風にポッキリ折れる固い枝に対して、しなやかな柳の枝は、ユラリと風をかわし、折れることはありません。

 人生においても、あらゆる困難や難関に対して、スンナリとかわしてくれるレジリエンス「しなやかさ」を、ぜひとも、身につけたいものであります。しかし、実際は、真逆で、困難や難関に直面して、真剣なあまり、身も心も硬直、「しなやかさ」をしばしば失いがちであります。真剣さ故に、心の「しなやかさ」を失うようなことは、なんとか、避けられるよう一工夫、智慧を絞りたいものであります。

 心の「しなやかさ」は、緊張した心からは生まれません。心に余裕やゆとりがあることが大切です。心の余裕やゆとりは、あらゆる難関、苦難にひるまない心の平安とそれを保つための智慧があってこそ、初めて生まれるものだと思います。

 その智慧を得るにはどうすればよいのか。智慧は、にわかに出てくるものではありません。長らくの経験プラス深い考え、それに智恵を探求する熱烈な祈りも必要だと感じています。「祈り」となると、宗教的になりますが、智恵を得るには、宗教が大きな役割を果たすのではないでしょうか。いや、宗教の力を借りなければ、智恵を得るのは、おそらく不可能ではないかと思っています。

 宗教には、そのような役割を果たすレジリエンス、つまり「うまく適応できる能力」があると確信するからであります。