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気づき

崔 友本枝

今日の心の糧イメージ

 カトリック教会を訪れると「聖櫃」と呼ばれる箱があります。そばにランプがあるのはこの箱の中に、キリストご自身がおられるということです。これは最後の晩餐でイエスがおっしゃった言葉を元にしています。

 イエスは過越の食事でパンを取り、感謝の祈りを唱え、裂いてから、「これは、あなたがたのために与えられるわたしの体である。わたしの記念としてこのように行ないなさい」とおっしゃいました。(参 ルカ22・17)その翌日、イエスは十字架にかけられて、私たち人類の罪を償うために命を捧げてくださいました。これは、旧約聖書に預言されていた通りの出来事です

 弟子たちはイエスの死と復活を目撃し、体験した後に「彼こそが待っていた『救い主』だった」と確信したのです。最後の晩餐でのイエスの言葉は、現代までの二千年間、司祭がミサで唱えています。

 小麦で作られたパンが、司祭の言葉と同時にイエス・キリストご自身のお体に実際に変化します。この方がパンの形で聖櫃におられるのです。カトリック信者は、聖書と弟子たちから引き継がれた信仰をそのまま信じています。

 さて、私にはこの話をどうやって人に説明したらよいかと思いあぐねていたことがあります。

 その頃、友人から送られてきたプリントに、ある青年が初めてミサに出席し、信徒の祈りや動作がとても奇妙に見えたと書かれていました。それにもかかわらず、彼はミサで聖変化したパンを見て、突然、それがキリストご自身であると気づいたのです。神さまが彼に直接わからせてくださったのでした。それ以来、私はこの神秘的な贈り物についてはありのままを伝えればいい、と気づきました。

 神さまがその人に教えてくださるからです。