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テーマを思索して

植村 高雄

今日の心の糧イメージ

 私の日記に「心のともしび」との出会いが明記されていました。

 1989年2月、外国人らしい方からの電話がありました。この方がハヤット神父さんでした。「あなたの書いた本に興味があり、そのことで電話しました」とのこと。これが契機となり、私は生まれて初めてのテレビ出演となります。テーマは「我が青春の葛藤」。

 テレビは初めて。私は緊張のあまりか、数回撮り直し。窓ガラスの向こう側には10名くらいのスタッフが、気のせいか私を睨んでいましたがそれを無視してわたしを激励して下さった神父様。

 このご縁から、毎月ラジオ放送のテーマが課題として与えられるのですが、何故か、このテーマを思索していると不安と過去の心の傷が解消していくのです。

 例えば30代の頃にロシア、南米などに仕事で出かけましたが、冷戦時代の恐ろしい体験も、南米での機関銃騒動の中ででも、死んで当然な状況を何度も体験し、その折の心の傷跡は深く、いつも夢でうなされていたほどでした。けれども、与えられるテーマの思索が私を救ってくれました。

 そのテーマは、「自信を持つ、進歩、ゆるしあい、微笑み、神の愛、良心、言葉の力、寛容、復活、礼儀、祈り、輝く人々、あこがれ、癒し、使命、信・望・愛、和解、永遠の命」など。以上は1991年から99年までのテーマの一部です。これまでのものを全部挙げたら膨大な数になりますが、この毎月の課題のおかげで、生き抜く知恵が楽しく身についてくるのです。

 これからも、たとえ「苦しみの時代」にあっても、人々が明るく元気に生き抜いていける知恵を思索できるようなテーマを戴き、書かせていただきたいと思っています。