30年前のある日、ハヤット神父さまより突然、「お会いしたい」との電話があった。
私は快く了承し、数日後、大阪の天王寺のホテルの喫茶室で会った。
要件は「心のともしび」に原稿をお願いしたいとのことであったので即、了承した。
私は一回だけだと思っていたが、翌月も、翌々月も原稿依頼は続き、気がついたら、30年経っていた。
その間、原稿書きだけではなく、テレビ出演も依頼され、それもハヤット神父さまに従った。
そのおかげで、心のともしびの輪が次々に広がっていった。
特にテレビ出演のあとは、近所の人たちも偶然見てくれていて「よかった。心が洗われました」と次々に声をかけられた。
ラジオ放送のあとは、早朝から電話がかかり、「感激した」などと言われるとやはり嬉しい。
心のともしびの機関紙を読んだという手紙も全国から多く寄せられている。
心のともしびの輪がだんだん広がっていっていることはありがたいことである。
ハヤット神父さまは帰天されたが、マクドナル神父さま、近藤神父さま、小川神父さま、松村神父さまへと受け継がれている。
それをずっと支え続けておられるスタッフの方々のお働きを決して忘れてはいけないと思う。
私が五島にいた頃、教えを受けた松下神父さまは「まず第一に善き人間であること、第二に善き社会人であること、第三に善きカトリック信者であること」を説かれた。
市井の中で善き人間として生きることが一番の布教だと言われた。
これからも私は市井の人々の心にポッとあかりを灯せるように、この三つの教えをこそ、守り続けたい。