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めばえ

中井 俊已

今日の心の糧イメージ

 様々な統計によると、近年、日本の子どもの自己肯定感は学年が上がるにつれて低くなっています。「自分はダメだ」「大切にされていない」「価値がない」と思う子が、他の国と比べて多いのです。

 しかし、生まれたときから、自分を否定的に感じていた子はいないはずです。育つにつれ、だんだんそう感じるようになったのです。

 自己肯定感が低ければ、毎日が幸せでないという子も多いでしょう。

 どうすれば、よいのでしょうか。

 私が幼稚園や学校の保護者にお伝えしているのは、大人が子どもにかける言葉を変えていけば、効果的ということです。

 親の口ぐせとして多いのは、次の3つです。

「早くしなさい」「ちゃんとしなさい」「勉強しなさい」

 これらは、全部命令形ですね。子どもを見て、「このままではダメ」だという親の思いが前提となって、もっとがんばるように要求しているわけです。「このままではダメ、だからがんばれ」という意味合いの言葉が多いと、子どもが「いまの自分はダメなんだ」と思うようになっても、不思議ではありません。 

 逆に、いいところを見つけてほめてあげるとどうでしょうか。

 「早くできたね」「ちゃんとできたね」「がんばって勉強できたね」などと。

 誰でも認めてもらうと、喜びがわいてきます。自信がつき、やる気もでます。

 さらに、存在そのものを肯定するために、「大好きだよ」「お父さん、おかあさんの宝物だよ」と言ってあげてはいかがでしょうか。

 心にめばえた自己肯定感は、親の愛によって成長していきます。

 私たち大人も同じです。神様の子どもとして、父親である神様からどれほど愛され、大切に思われているかを、祈ることによって感じることができるようになります。