修道院の洗濯干し場にあるシスターMの物干し。それは、洗濯ばさみがもう何個も取れてしまい、ボロボロになってしまったから捨てるしかない、と思っていたものをシスターMがいとも簡単に紐を使って、さっと修繕して使っているものです。
考えてみると、私も小さい頃は靴下などに穴が開いた時、母が繕ってくれてすぐには捨てず繰り返し履いていたものでした。小学校高学年になると自分でも修繕するようになりました。それなのにいつから、すぐに物を捨ててしまうようになってしまったのでしょう。
安いものを選んで買い、ついつい買いすぎて無駄にしたり、汚れたり故障したり、少しでも壊れたりすると、すぐに取り換える、ということが多くなってきたような気がします。まだ使えるものでも、先ほどの洗濯物干しのように、すぐに捨てて取り換えよう、という考えになってしまっています。
それで、修繕された物干しを見た時、はっとさせられました。大切に使うということを思い返して想像してみました。それには愛情の深さ、優しさ、ていねいさが感じられました。それから、私自身の「捨てる」という行いを見つめなおすと、何か乱暴な感じがしました。
神様がくださった美しい自然を前に、私のこの振る舞いは無関係ではありません。軽はずみな行動を通してゴミが増え、空気や土、海が汚染されています。地球に負荷がかかり、地球もそして貧しい人たちも悲鳴を上げています。
サステナブル、持続可能な地球、社会環境を未来に渡すために、まずは、私自身の浅はかなものの考え方や生活習慣を修正しよう、シスターMの、長く生きてきた人の知恵と物を大切にする姿を見て、心を新たにしました。