▲をクリックすると音声で聞こえます。

サステナブル

中井 俊已

今日の心の糧イメージ

 山奥にある人口1500人の小さな町ですが、毎年人口の2倍以上の視察者・研究者が世界中から訪れる徳島県上勝町を見学したことがあります。

 特に「葉っぱビジネス」には、感心しました。

 高齢化、過疎化が進み、基幹産業である農林業が低迷していたこの地で、この町らしい活性化ができないかと、1986年に農協職員によって考案されたのが、「葉っぱビジネス」でした。

 まわりは山ばかりなので、きれいな葉っぱはいくらでもあります。その葉っぱを「つまもの」として全国の料亭や旅館へ出荷するようにしたのです。

 はじめは、「葉っぱなんか売れるものか」と町民の多くから反対があり、実際に売れ行きも不調でした。

 しかし、農協職員が料亭やホテルに足を運んでそのニーズに合わせて、商品の改良を重ね、高齢者でもできる作業手順を工夫していきました。商品名も「彩(いろどり)」と改名し、地道な営業努力を続けました。

 その結果、次第に全国各地から注文がくるようになり、年間販売額、117万円でスタートした事業が、年商2億円となる町を救う産業となったのです。しかも、高齢者に働く意欲と自信が生まれ、体も元気になり、町全体に活気が出てきたそうです。「本当に善いものなら、持続できる!」と、いまも上勝町は世界に元気を与える「持続可能な地域社会」を目指しています。

 私もこの町を見学して、人生の貴重な気づきを得ました。それは、ただ現状を悲観するのでなく、今、自分がもっているものに目を向けて活かせば、より良い人生を持続できるということです。私たちは、時に価値なきように思えても、たくさんの善いものを神様からたくさんいただいているのですから。