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クリスマスに学ぶ

シスター 山本 久美子

今日の心の糧イメージ

 「今日、あなたがたのために救い主がお生まれになった」と、聖書のルカ福音書は、私たち1人ひとりに、救い主の誕生を告げています。(2・11)

 12月25日は、世界中でイエス・キリストの誕生を記念してお祝いします。約2千年前にお生まれになったイエス様は、今もその誕生の喜びを心から受け入れる人々の心に生まれてくださる神様です。

 イエスは、人間の赤ちゃんとして生まれられました。クリスチャンにとって、聖母マリアと聖ヨゼフ、そして、幼子イエスの3人の情景は、クリスマスの当り前の光景のようになっています。しかしどうしてイエスは人間の赤ちゃんとしてお生まれになったのでしょう。

 ご降誕の場面を思い、そこに眠る幼子イエスの姿を想像すると、いろいろな気付きが促されます。

 赤ちゃんは無力ですが、実は大きな力を持つ存在です。赤ちゃんは、誰の心にもすんなりと入り、接する人々を微笑ませ、一瞬でも過去のいろいろな苦労や将来への不安を忘れさせて、明日への希望を与えてくれる存在です。

 イエスは、人々の祝福の中で誕生され、何もできない赤ちゃんとして周りの大人たちに囲まれ、お世話を受けて育てられました。私たちも1人ひとり、イエスと同じように、祝福のうちに生まれ、大切に育てられた神様の子どもなのです。

 そして、イエスは、近寄れないような特別な人ではなく、本当に身近な1人の人間として、私たちのように、人間の成長のプロセスを歩まれたのです。イエスは、両親と共に平凡な人生の日々を過ごされ、日常生活の中でいろいろな体験をされました。

 クリスマスは、私たちの苦労に心から共感され、私たち一人ひとりと共に歩んでくださる神様のご誕生なのです。