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授かったもの

森田 直樹 神父

今日の心の糧イメージ

 カトリック教会の礼拝であるミサの中で、信者さんたちは「ご聖体」をいただきます。

 これは、パンの形をしていますが、まことの「キリストのからだ」であると信じられています。この「キリストのからだ」である「ご聖体」について、イエスさまは次のように聖書で語られています。

 「はっきり言っておく。信じる者は永遠の命を得ている。わたしは命のパンである。...これは、天から降ってきたパンであり、これを食べる者は死なない。わたしは、天から降ってきた生きたパンである。このパンを食べるならば、その人は永遠に生きる。わたしが与えるパンとは、世を生かすためのわたしの肉のことである。」(ヨハネ6・47~51)

 ここではイエスさまご自身が生きたパンであり、永遠の命を与えるものと語られています。カトリック信者に与えられたこの「ご聖体」は、イエスご自身から私たちが「授かったもの」です。

 さらにイエスさまは言われます。

 「はっきり言っておく。人の子の肉を食べ、その血を飲まなければ、あなたたちの内に命はない。わたしの肉を食べ、わたしの血を飲む者は永遠の命を得、わたしはその人を終わりの日に復活させる。...わたしの肉を食べ、わたしの血を飲む者は、いつもわたしの内におり、わたしもまたいつもその人の内にいる。」(同 6・53~54、56)

 イエスさまから「授かったもの」である「ご聖体」によって、私たちはイエスさまと一つになっていきます。「わたしもまたいつもその人の内にいる」とは、とても力強いイエスさまの約束です。

 イエスさまと一つになることによって、私たちは他者へと目を向けていきます。自分中心ではなく、助けを必要としている人に自らを差し出していく生き方、イエスさまがなさった生き方へと招かれるのです。