私たちは日々、他愛のない会話を交わしています。家族とも職場の同僚とも日常会話は大事なコミュニケーションですが、人生についての本音や夢、または悩みを話せる友がいれば、その人はかけがえのない存在といえます。
平成の時代は心を病む人が多く、令和になっても、心の回復は重要なテーマです。そのために大切なことは、互いに心を開いて語らう場所を持つことだと、個人的には感じています。
私は定期的に「陽だまりサロン」という名の読書会を主宰しています。第1回目は昨年9月に行い、読書後、お茶を飲みながら互いに近況報告をしました。その集いは新型コロナウイルス感染拡大の影響で中断していましたが、3密を避けて開催し、再出発の会となりました。
ドイツ人司祭、ウァルデマール・キッペス神父様の書かれた『本当の自分を大切に生きるために』という本を、5人の参加者で順番に朗読しました。この本はキッペス師が書いた日本語の文章を、主に私と妻がより伝わりやすい言葉に校正したものです。キッペス師は現在90歳で、日本で長年スピリチュアルケアによる心の癒しと本当の生き方について探究し、人々に伝え続けています。
第1章では、「自分を大切に思うことができてこそ人を大切に思えること」「時に不安のある人生でも天を信頼する心を養うこと」「自分の長所や日々与えられていることを見出し、感謝すること」について記されており、共有しました。わかち合いの時間では、日頃、他人に話せないことを打ち明け、涙する方がいるなど語らいのひと時でした。
これからも参加者が互いにかかわりあって、本当の自分を生きるために、このサロンの場を皆さんと共に育んでいきたい、と思っています。