私たちの生活は、すべて約束の上に成り立っていると言っても過言ではありません。辞書をみますと、約束とは、「くくりたばねること」と文字説明をした後「ある物事について、将来にわたって、取り決めること」と、懇切丁寧な定義を下しています。
日常生活の中で約束は多種多様、単なる口約束から文書による複雑な契約まで、その内容と対象、それに形式も千差万別、いろいろであります。
まず第一に挙げられるのは、宗教的な課題、神と人間の約束とも言える、神がシナイ山でモーセに与えたという十か条の掟、いわゆる十戒であります。(参 出エジプト記 20章)
「わたしをおいてほかに神があってはならない」という掟をはじめ、殺人、姦淫、盗み、偽証・貪欲などを戒めたものであり、人間として守るべき根本倫理と言えるものであります。罪びとである人間、この掟を守れないことから多くの社会不安をもたらしていると言っても過言ではないかもしれません。
ところで、話題は、がらりと変わりますが、毎朝、自宅で、当然のことのように新聞を手にすることができるのは、新聞配達店が契約通り約束を守り、配達の任務を達成してくれているからであります。また新聞を読んだ後、つつがなく通勤、通学ができるのも、交通関係者が、毎朝、約束通り、バスや電車を運行してくれているからであります。さらに言えば、交通関係者が、無言のうちに、約束を守り、つつがなく任務を果たしてくれているからであります。感謝の念を禁じ得ません。
この世の中、すべて約束で結ばれ、維持、発展すると言って、決して過言ではありません。
約束は、決して破らず、守り通さねばなりません。健全社会の礎であります。