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わたしが目指している道は

末盛 千枝子

今日の心の糧イメージ

 この原稿が何を求めておられるのかよくわかりませんが、私には何となく自分の人生の道のりの終着点のことのような気がします。

 私が再婚した夫は、若い時に出会ってはいたのですが、再会した時には、もう体がとても悪くなっておりました。それでも奇跡的に回復して、どちらも独身になっておりましたので、やはり結婚した方がいいということになり、そうしました。そして、楽しく幸せな時期もあり、夫がやりかけていたライフワークの仕上げの手伝いをすることもできましたが、やはり歳のせいもあり、夫の体の具合はだんだん悪くなりました。それでも、もう思い残すことはないだろうというほどに、様々なことを共にすることができました。

 そして、私が一番嬉しく思い出すのは、彼が失っていた信仰を取り戻した、と昔の彼の親友に伝えていたことです。

 私はそれほどとは思っていませんでしたが、その時、初めて、再会に至るまでの彼の過ごしてきた孤独な時間を思いました。そして、彼の人生は、心残りになりそうだったことも、きちんとケジメがつき、やり残したこともほとんどなく、実に見事に平和に旅立って行きました。旅立ちの前に、私は彼に「みんなによろしくね」と言いました。それは天国で待っているに違いない多くの家族や友人たちに対して、という意味でした。その時には彼はもう話をすることはできなくなっていましたが、私の言った意味が通じたようでした。

 私は夫を送って神様に、「これでよかったでしょうか」と申し上げることができました。これはとても幸せなことだったと思います。でも私には、まだ心配なことがありますが、それでも最後に「これでよかったでしょうか」と申し上げたいと願っています。