私が目指している道は、わかりやすく言うならば、「嘘をつかない」生き方です。私には、中学時代から譲れない夢があり、私は、ひたすらその実現のため道を進んできました。
そのプロセスで、家族や周りの人々の無理解や反対等、私の志を阻む多くのことがありました。家族を安心させるため、自分の夢を諦めようかと迷ったことも度々ありましたが、ふり返って、自分の心に聞いてみると、自分に嘘をつき、どこかで違和感や自分を否定するような苦しい思いが湧いてきました。どのような状況下でも、私の中でその夢は一度も消えることはなかったのです。私は、自分の心に嘘をつくことで生涯にわたって後悔するような生き方はしたくないと思い、自分の信念のまま歩き続け、シスターになりました。私は、今もこの夢が自分の奥深いところで示される神様の道だと信じています。
聖書の創世記には、神様に逆らい、楽園から追放されるアダムとエバの物語があります。彼らは、創造主である神様の楽園で幸せに過ごして来たにもかかわらず、一時的な人間的誘惑に負け、罪をおかし、神様と向き合うことができなくなりました。神様との約束を破り、「神のようになりたい」という誘惑に流されたアダムとエバは、結局神様から隠れ、離れてしまいました。この物語は、私たちに、自分の良心、心の深い望みに逆らって生きることは、結局自分を不自由にし、幸せな生き方から遠ざけてしまうことを教えていると思います。
私の選択は、ある時、確かに周りの人々を悲しませましたが、自分の良心や人生に正直であり、幸せであることで、必ず他の人々にも深い思いを分かち合えると信じているのです。