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幼子誕生

シスター 山本 久美子

今日の心の糧イメージ

 姪が赤ちゃんを出産しました。私にとって、久しぶりに接する新生児で、神様の創造の御業をあらためて味わう機会になりました。生まれたての赤ちゃんの柔らかく壊れそうな小さな体に触れ、いのちの神秘と尊さ、体のしくみの見事さにあらためて気付かされました。赤ちゃんの成長、発達のすさまじさに新鮮な感動を覚えています。今、赤ちゃんは、1歳を過ぎ、いつの間にか自分の足で歩き、いろいろな言葉に反応し、片言ながら、少しずつコミュニケーションがとれるようになり、一人の赤ちゃんが周りの世界に与える変化の大きさや力強さも実感し、かわいくてたまりません。

 クリスマスは、神様がそんな人間の赤ちゃんとして誕生された大きな記念日です。

 姪の赤ちゃんの誕生後、私は、イエス様が生まれ、やがて、両親に見守られ、「知恵が増し、背丈も伸び、神と人とに愛された」(ルカ2.52)様子を、より生き生きした場面として想像し、両親として過ごされた聖母マリアと聖ヨゼフのよろこび、不安、驚き等の心の動きにも、もっと共感できるように感じています。

 初めてのクリスマス、イエス様がこの世にお生まれになった時、馬小屋の聖家族のよろこびは、限られた一部の人々だけのものでした。しかし、今や世界中の多くの人々がクリスマスをお祝いしています。イエス様というたった一人の存在がこの世界を変えたのです。

 もし、イエス様が誕生されなければ、今もクリスマスはありません。クリスマスを前に、私は、今一度、神様が人間の赤ちゃんとしてお生まれになった意味を味わい、世界中の人々がそのいのちのよろこびと輝きに満たされますようにと祈りたいと思います。