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いつも生き生きと

古川 利雅 神父

今日の心の糧イメージ

 今から30年ほど前、大学卒業後、社会人として駆け出しの頃、会社の方と夜の食事などご一緒することも時折ありましたが、とある居酒屋に入り、品物を注文しようと店員さんを呼ぶと「はい、よろこんで!」と元気な生き生きとした声が。何度も注文しても相変わらず「はい、よろこんで!」、どの店員さんも「はい、よろこんで!」。仕事で疲れ切った体を、活気のある声で元気づけてくれました。

 気になってネットで調べてみましたら、どんな時も喜んで接客を行う意味を込めて、「はい、よろこんで!」の言葉をお客様に掛けていたという記事が見つかりました。店員さん、最初は恥ずかしかったかも知れませんが、次第に慣れたのでしょうね。

 今、身近で同じ様な方はおられないかなと思い巡らすと、様々な方が思い浮かびました。改札を通る人に挨拶なさる地下鉄の駅員さん。道ですれ違った時に挨拶なさる見知らぬ方。子どもを迎える幼稚園の先生方などなど。特に幼稚園の先生方は元気がなかったりすると、上の方から後で注意されることも。

 幼稚園に登園した園児さんを先生方が、元気な声、元気な姿で迎えるなら、子どもたちも元気になって一日過ごすことができますが、元気でない声、元気でない姿で迎えるならば、子どもたちも元気のないまま、過ごすことになってしまいますからね。

 元気な声、元気な姿、生き生きとした声、生き生きとした姿で日々出会う人と接するなら、私たち自身が変えられるだけでなく、出会った人も次第に変えられてゆき、私たちの身近なところから何かが大きく変わっていく、変えられていくことでしょう。

 今日も新たな一日が始まります。私たちがいつも生き生きと生きることができます様に。