私たちは、神さまに何を望まれているか、何が自分の使命なのかを知ることがとても大切です。それは自己理解と、計算のない心で祈ることで徐々にはっきりしていくのだと思います。時には誰かの一言が目を開かせてくれることもあるでしょう。
有名な精神科医であった神谷美恵子さんは、ハンセン病者が隔離されていた島を定期的に訪れて治療を行ない、患者さんの精神的な支えになられました。先生は喜んでそうされていたようです。息子さんが進路を決める年齢になると、こうアドバイスなさいました。「あなたが好きだと思える道を選びなさい。嫌いなものを選んではいけません」。
心の中に神さまがおいてくださった賜に従って歩みなさい、それは、あなたが心惹かれるもの、好きなことのはずです、という意味です。
賜はしばしば性質に表れています。静かに一つのテーマで研究することに心惹かれるなら研究を仕事にするのがいいでしょう。自分の賜とはまるで違うものを仕事にしてはいけない、幸せになれないから、ということです。
私も友人の一言で大切なことに気づいたことがあります。彼女は「本業に専念してください。あなたの本業は書くことです」と言ってくれたのです。ハッとしました。私は書くことが好きですが、本業というほどの決意も自信もなかったのです。この一言で、私は、力の置き所をよく考えよう、神さまが与えてくださった賜に集中して心と時間を使わなくてはいけない、と思いました。そしてあまり向いていない細々としたお手伝いをやめて、まとまった時間を失わないようにしました。
神さまは、必要な時にふさわしい人をいつも送ってくださいます。