日本には昔から「言霊信仰」と呼ばれている文化があります。或る言葉を口にしたばかりに、色々の現象が起きますので、言葉を口に出すときは注意しなさい、という教訓だと私は解釈しています。
仲の良い友達が言う嫌な言葉には腹がたちませんが、苦手な友達の場合は逃げ出したくなります。
楽しく明るい人間関係を築き上げたいと誰もが願っていると思います。しかし、世の中には意地悪をするのが楽しい、と感じている人々も多いので、難しい人間社会です。職場で、家庭で、また友人との関係で、この発する言葉の重要性について、誰しも真面目に考えてはいるのでしょうが、いちいち気にしていましたら、精神を病んでしまいます。
人は皆、善意、悪意に関わらず、ほんの一言で傷付け合ってしまいます。どう考えたらいいのでしょう?
私も仕事や勉強の関係で、欧米や南米、中国などで、政治上の暴動、経済からの争い、宗教、家族間の愛憎に触れてきましたが、それは全て言葉が原因でした。ある人の一言が始まりでした。その一言から事が始まるのです。感情的な言葉、愛や配慮の足りない言葉が原因で、即座に誤解が生まれ、言い争いが始まっていました。愛と平和運動に生涯をかけた人々とは思えない恐ろしい姿も垣間見ます。
キリスト様がこの地球にお生まれになりましたのも、人間のそのあたりの実情をご存じで、道を拓いてくださったのでしょう。
私も大勢の人々に言葉で悲しい想いをさせてきましたが、これが人類の実情でしょう。
ある人の一言が、今までもこれからも、多分永遠に人類社会に大きな影響を与えるでしょうから、それぞれに気を付けて、その一言に愛を込めようと努力するのが大切なのではないでしょうか。