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親と子ども

古川 利雅 神父

今日の心の糧イメージ

 ふとテレビに目をやると、水鳥の子育ての映像。沢山の子どもに恵まれた親鳥、子どもの鳥たちがいなくならない様に、迷子にならない様に、気を配りながらともに生活してゆく姿、子どもたちの成長を追いかける番組でしたでしょうか。

 子どもの鳥たちは、親鳥についてゆきます。草むらを歩く時も道路を歩く時も、水の上を泳ぐ時も。一列に並んだり、家族一緒に歩いてゆく姿はとても微笑ましいですね。そして一日が終わるとねぐらへ。でも戻って一安心ではない様です。

 特に子どもの鳥を狙うカラスなど危険がいっぱい。異変に気付いた親鳥が、子どもの命を守るため、手分けして警戒している様子もありました。そして子どもはやがて大きく成長し、次の場所に向かうため、羽ばたきを親から習い、飛び立ちます。 

 これは鳥たちの話。では私たち人間はどうでしょう。

 親は子どもの成長を見守り子育てをします。子どもは親から学び、大きくなってゆきます。時に親は、子どもが失敗することを眺めながらも、危険な時は身を挺して助ける。子どもが独り立ちできる様、経験で学ぶことができる様、助けて下さっていたのでしょうね。

 親とこども、親なしに子どもの存在はありえませんし、子どもがいることによって、人は親と呼ばれる存在になるのです。そんな親と子ども、切っても切れない大切な存在ですね。でも最近は残念なことに、親子について悲しい話題も多いように思います。

 子どもは成長してゆきます。その中で親も苦労しますが、親もともに成長してゆきます。

 親とこども、それぞれ幾つになっても、成長してゆけることを喜びとしながら、お互いを大切にしながら、いつまでもともに歩んでゆくことができます様に。