孫の杏奈ちゃんが、今年の4月、小学校に入学します。昨年の秋、両親と共に、小学校へ見学に行ってきました。
学校に近づき、最初に目に入ったのは校舎の一番上にあるヨーロッパ風の高い塔でした。「お城みたいな学校だ。あそこに私は通うの。私プリンセスになるのね」。見学の最後に英語の先生とすれ違い、「またいらっしゃい」と英語で話しかけられ満足そうでした。
私が小学校へ入学するときはどうだったのでしょうか。今から60年以上も前のことです。ベビーブームの真っただ中、小学校へ入学する児童が一番多い時でした。母が体調を崩していたため、父と私は、妹を連れて入学式に行きました。父は妹の世話をするため、私と一緒にいることが出来ません。上履きは父が用意してくれたのですが、大きすぎてぶかぶかでした。
生まれて初めての集団生活に緊張したまま教室に入ると、先生が怖い顔をして言いました。
「これからあなたたちは小学生です。学校は遊ぶところではありません。学ぶところです。」私の緊張はさらに高まりました。
授業は、教室が足りないために2部授業でした。早く学校に着いても教室が使用中のため、教室があくまでいつも校庭で待っていなければなりません。校庭はいつも子供たちであふれていました。1年生である私たちは、居場所がなく校庭の隅にいるしかありません。正直に言えば、学校は少しも楽しくありませんでした。
杏奈ちゃんが学校へ行くことを喜んでいる。本当に良かったと私は思うのです。杏奈ちゃんに聞きました。
「学校で何を勉強したいの」「英語を勉強したいの。そしてね、イギリスへ行きたいの」学ぶことに積極的で命の息吹にあふれた杏奈ちゃん。
入学おめでとう!