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歓迎する

シスター 山本 久美子

今日の心の糧イメージ

 修道会に入会して学んだことの一つに、「ホスピタリティー」があります。修道院を訪れるお客様を、「イエス様のように」歓迎することです。特に、手作りの「おもてなし」がとても大切なこととして、私の心に入りました。お客様一人ひとりのために、喜んで自分の時間を提供し、手づくりのお菓子やお料理をお出しし、お互いの存在、心を分かち合う、共同体の「食卓」作りにつながっています。

 イエス様も人々のニーズに立ち止まり、自分の時間を積極的に分かち合い、食卓を囲み、共に語らうことを大切になさいました。聖書には、イエス様が「大食漢で大酒飲み」と言われたという箇所がありますが、(マタイ11・19)それも、イエス様がそれほど出会う人々を受け入れ、関わりを大切にされ、愛されたということを物語っていると思います。

 今も、教会で大切に行われているミサ聖祭は、そのイエス様を中心に信じる人々が囲む愛とよろこびの食卓です。私たちは、ミサの中で、目には見えないそのイエス様の愛を目に見える形、「食卓」を囲むことによって、今も私たちの中に生きておられるイエス様を思い起こすのです。

 数年前、「おもてなし」という言葉が、オリンピック招致のプレゼンテーションで話題になりました。「おもてなしの心」は、時間をかけ、心を込めた準備、他人への行き届いた配慮、姿勢、その言葉が表しているような「裏表のない」、見返りを期待しない心を表わしています。現代の日本社会の中で忘れられ、呼び起こされた、日本人の誇りとされる、目に見えない宝です。

 私は、キリスト者として、日本人として、この目に見えない宝を出会う人々と分かち合っていきたいと思います。