▲をクリックすると音声で聞こえます。

時のしるし

古川 利雅 神父

今日の心の糧イメージ

 三寒四温、まだ寒さが残るこの頃。ふと近くの木々に目をやると、そこには小さな木の芽。冬の訪れの前に葉を落として丸坊主になっていたはずなのに、いつの間にか新たな生命がひょっこり顔を出しておりました。もうすぐ春だよと告げ知らせる様に・・・。

 見慣れている景色。何となく通り過ぎてしまいがちですが、丁寧に見ていくと、そこには生命の動きがあります。秋が深まると木の葉が黄色くなり、赤くなり、やがて枯れて地面に。これは冬の訪れのしるし。

 でも木は生きています。また新たな芽を生み出して、力強く生命の歩みを進めています。ひょっこり顔を出した木の芽、それは春の訪れの時のしるし。私たちの身の回りでも様々なしるしがあるのでしょうね。

 自然を眺めて気づくこともあるでしょう。生活の中での様々な出来事や出会う人々から何かを感じたり、何かを受け取ったり、何かに気づかされることもあるでしょう。もちろん人に何か伝えようと思ってすることもありますが、そうでないことの方が多いでしょうし、 ましてや自然や出来事の場合はそうではないでしょう。

 でももし自然や人や出来事などの何かを、自分にとっての「何かのしるし」「時のしるし」と感じたならば、その様に受け止めたなら、大切に受け止めて、丁寧に思い巡らしてみてはいかがでしょうか。もちろん違うこともあるでしょう。でもそのことを深く思い巡らす機会、 新たな方向に進む機会になるかも知れません。

 日常の様々な「しるし」「時のしるし」が、私たちの歩みを助けるものとなります様に。新たな歩みへの恵みのしるしとなります様に。私たちを愛して下さる神様が、私たちを様々な形で守り導いて下さいます様に。