昭和の風景の一つ、それは、クリスマスになると歳末商戦が盛んになり、賑やかにジングルベルのメロディーが流れ、宴会後クリスマスケーキの箱を抱えた人々が盛り場にあふれていました。そんな頃からどの位時が流れたでしょう。
続くバブルの時代はカップルが豪華なディナータイムを過ごし、プレゼントを交換するのがクリスマスだと世間は思っていました。
神の御子の降誕祭だと多くの人が知り、家庭で家族とともに喜び祝う日になったのは、近年、度々大きな災害に襲われ、被災者を支援するボランティアの気運が高まり、それとともに、キリスト教の愛の精神が少しずつ人々の心に広まっていったからではないかと思います。
隣人を愛すること、「一粒の麦」のたとえのような自己犠牲、思いがけない他者との縁に、何となく神を感じるという人が多くなりました。
サンタクロースがプレゼントを置いたと信じている子供はほとんどいなくなりましたが、良い行いをしていないと希望するプレゼントがもらえないことを、今の子供たちは自覚しています。
高齢者施設では、クリスマスがしっかりと歳時記に組み込まれ、飾りつけは勿論、聖歌隊の訪問演奏を積極的に受け入れています。
また、ミッション系の幼稚園・小学校に通った人が、子供時代のクリスマスの聖劇、3人の博士がイエスさまにプレゼントするシーンをしみじみ思い出し、そこにクリスマスプレゼントの意味を重ねて、歳末助け合い募金に協力しているという話をよく耳にします。
人類に平和をもたらし、互いに許しあい愛し合うことを身をもって示してくださるために、神が人の子となって降誕されたという、クリスマスのメッセージの浸透を祈ります。