クリスマスに関する幼少の頃の思い出は、両親からプレゼントのおもちゃなどを買って貰ったり、ケーキを家族で食べたりした事です。何のお祝いなのか分からないまま、その日を祝いましたが、それでも今考えれば、ただ楽しい思い出と美しい思い出だけが残っています。
成長するに従い、友人たちとクリスマスを共に祝うようになり、プレゼント交換をしたりしました。けれども、依然として洗礼の恵みを頂くまでは、このお祝いが何のお祝いなのか善く分からぬまま、お祝いをしておりました。パーティを開く為の良い機会として捉えていたのかもしれません。
受洗後、お祝いの仕方が少し変わりました。クリスマスのシーズンに、小児病棟や少女苑を、パネルシアターを持って巡ったりしたのです。喜びの便りを、外に向かって広める必要があると思ったのです。
ところで、クリスマスは、英語の表記をそのまま翻訳すれば「キリストのミサ」です。キリストのミサは、毎日、全世界で行われています。分かち合う事の大切さ、奉仕し合う事の大切さを、弟子たちを通して人類に伝えようとされたイエス様は、この世の生活の最後に、御自分の体、つまりご自分の命を分かち合いの対象とされ、パンと葡萄酒の形で弟子たちにお与えになりました。私達が、私達の所有している物、つまり富や時間や能力を他の人々と分かち合っていくように、模範を示して下さいました。クリスマスは、そのイエス様の誕生を祝います。
現代は、世界の各地で排外主義が蔓延し、自分の国や自分の民族の事しか考えない人々が増えています。このような時代であるからこそ私は、イエス様が命がけで遺して下さったクリスマスの精神を大切にしたいと思います。