キリストは、いつ生まれたのか。12月25日がキリスト誕生の祭日とされていますが、聖書には、キリストの誕生日を特定する記述は、なにもありません。また、この日を祝うことについても、なにも述べていません。
キリストの誕生を祝うことになったのは、神の掟や聖書に基づいたものと考えがちですが、実はそうではなく、キリスト教徒が異教徒の信仰や信じる心、礼拝の仕方を取り入れ、その典礼研究を深めるうちに、教会はイエス・キリストの誕生日を設定する必要があると考えたからで、12月25日と定めました。この日に定めた理由は、教会の指導者たちが、この日から日の出が早くなり始める希望に満ちた日、冬至、12月22日頃の冬至を異教徒たちが祝っているのにヒントを得たことによるとされています。
初代教会、ローマ人たちは、12月中旬になると、ローソクに火を点し、クリスマス・プレゼントの交換や宴会で、クリスマス前に大いに盛り上げ、祝い、神のご加護と悪魔からの救済を祈りました。
この間、仕事はもちろん休み。各家庭では、クリスマス・ツリーを飾り、こぞって喜びのうちに、まず冬至を迎え、クリスマスを待ち望みました。その喜びは、今も昔も変わらず、全く同じ。キリスト教徒は、今も、初代教会、ローマ人と同じ大きな喜びをもってクリスマスを祝うとともに、この喜びをより多くの人々と分かち合いたいと願っています。
ついては、次の聖書の一節を心に留めたいと思います。
「いと高きところでは、神に栄光があるように、地の上では、心にかなう人々に平和があるように」(ルカ 2・14)
希望に満ちたクリスマス・シーズン、キリスト誕生の喜びを連呼すべきときであります。