わたしの今の役割

シスター 山本 久美子

今日の心の糧イメージ

 私は、私の属する教会、修道会、職場、家族、友人、いろいろなグループの人々との関わりの中で、いろいろな立場にあって、それぞれの場での役割を担って生きています。

 あらためて考えてみますと、人が置かれる立場というのは、人の思考、態度、行動に大きな影響を及ぼし、果たすべき役割を与え、人のいろいろな側面をつくり変えるものです。

 私は、カトリック教会という大きな組織の中で、「シスター」という立場(身分)に置かれています。また、私の属する修道会の会員として、修道会の中でも日本という国での立場は、また異なった役割を私に与えます。そして、キリスト者でない家族のメンバーとしての立場もあります。置かれる立場によって、役割を使い分けているとも言えます。

 そこで、「今、私は、どの立場での役割を優先すべきなのか」と識別することが、私の日々の課題となりますが、シスターという立場は、この課題に大きな指針を与えてくれます。

 シスターたちは、家庭を持たず、独身共同生活を選びます。これはただ「結婚をしない」ということだけではなく、積極的な意味で、「自由に教会や他者に奉仕することができるように」という意味が込められているのです。

 私は、このように考える過程で、シスターという立場や役割は、他の役割とは違って、もっと重みのある、神様からの召命、私のアイデンティティーだと実感しています。

 今、私は、「シスター」たちが、主イエスの「すべてが一つになるように」という祈りにつながれ、教会だけではなく、この広い世界のすべての人々が一つとなり、神の大きな家族を築くために存在するということに気づかされ、鼓舞される自分を感じています。

わたしの今の役割

中井 俊已

今日の心の糧イメージ

 わたしの今の役割は、一日に大半の時間を使っている仕事と切り離せません。

 わたしは大学を卒業後、23年間私立の小中学校で教職に就いた後、現在は作家・教育評論家という肩書で、執筆や講演の仕事をしています。

 教師をやめるときは、まわりの人から反対されました。安定した職と収入を捨てて、先行きの見えない仕事をするのはあまりにもリスクが高いからです。

 けれども、わたしはこれまで学校のために使っていた力と時間を広く社会のために向けていき、学んだ多くのことを社会のために役立てていくこと。それがこれからの自分の使命ではないかと考えました。そうすることで、社会全体、多くの方々のためになるように願いました。

 収入が不安定になるのは覚悟していましたが、神様がわたしに望まれている仕事なら、きっと助けてくださると確信していました。

 おかげさまで、今の仕事を14年間続けることができています。

 仕事の目的は、教師だった時も現在も変わりません。それは仕事をより良く果たし、その仕事を通してまわりの人を幸せにし、自分を聖化していくことです。

 このことは、わたしだけでなく、すべての人の社会での役割だと考えています。

 神様のみ心にかなうすべての仕事は、まわりの人や自分を聖化できる手段となりうるからです。

 たとえば、主婦がおこなう家事や育児、会社勤めのビジネスパーソンの仕事、定年退職された方がおこなう地域や教会での奉仕活動なども同じです。

 神様は、わたしたちが今置かれた場で、自分の仕事をより良く果たすように望まれています。

 わたしたちは日々の仕事を通して、神様に仕え、人を幸せにすることができるのです。


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