私は、私の属する教会、修道会、職場、家族、友人、いろいろなグループの人々との関わりの中で、いろいろな立場にあって、それぞれの場での役割を担って生きています。
あらためて考えてみますと、人が置かれる立場というのは、人の思考、態度、行動に大きな影響を及ぼし、果たすべき役割を与え、人のいろいろな側面をつくり変えるものです。
私は、カトリック教会という大きな組織の中で、「シスター」という立場(身分)に置かれています。また、私の属する修道会の会員として、修道会の中でも日本という国での立場は、また異なった役割を私に与えます。そして、キリスト者でない家族のメンバーとしての立場もあります。置かれる立場によって、役割を使い分けているとも言えます。
そこで、「今、私は、どの立場での役割を優先すべきなのか」と識別することが、私の日々の課題となりますが、シスターという立場は、この課題に大きな指針を与えてくれます。
シスターたちは、家庭を持たず、独身共同生活を選びます。これはただ「結婚をしない」ということだけではなく、積極的な意味で、「自由に教会や他者に奉仕することができるように」という意味が込められているのです。
私は、このように考える過程で、シスターという立場や役割は、他の役割とは違って、もっと重みのある、神様からの召命、私のアイデンティティーだと実感しています。
今、私は、「シスター」たちが、主イエスの「すべてが一つになるように」という祈りにつながれ、教会だけではなく、この広い世界のすべての人々が一つとなり、神の大きな家族を築くために存在するということに気づかされ、鼓舞される自分を感じています。