こんにち謳われている「人生百歳」の長寿社会は、確かに、喜ばしいことですが、長生きとともに、認知症の発症が避けられないのは、残念なことであります。
だれしも、歳とともに、物覚えが悪くなったり、人の名前が思い出せなくなったりしますが、この「もの忘れ」は、脳の老化によるものだとされています。しかし、「認知症」は「老化によるもの忘れ」とは異なり、「何かの病気によって脳の神経細胞が壊れたために起こる症状や状態」を意味するのだそうです。この「認知症」が進むと、だんだんと理解する力や判断する力がなくなって、社会生活や日常生活に支障が出てくるとも言われています。
「老化によるもの忘れ」と「認知症」の端的な違いは、前者が「脳の生理的な老化」によるものであるに対して、「認知症」は、「脳の神経細胞が変質したり、脱落した結果起こる症状」であります。「老化によるもの忘れ」は、「忘れっぽいことを自覚」していて、体験したことの一部分を忘れたとしても、ヒントがあれば、思い出すことができますが、「認知症」の場合は、体験したこと自体を忘れてしまい、ヒントがあっても思い出せないと言われ、「忘れたことの自覚」がありません。
このため、「認知症」は、日常生活に様々な支障を来たし、困惑、混乱の原因となります。
そして、アルツハイマー型認知症になりますと、新しいことが記憶できない、思い出せない、時間や場所がわからなくなると言われています。
年長者となった私自身、今後このようなことに一層留意した生活を送る必要があると認識させられています。