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ホッとするとき

小林 陽子

今日の心の糧イメージ

 ホッとするとき、ってどんなときでしょう。

 私がすぐに思いつくのは、ひと仕事すませた後のカフェでの一杯。あとは、お風呂でのんびりお湯に浸かっているときなどでしょうね。

 けれども、「ゼイタクよ、そんなの。節約なさい。家でコーヒーを煎れた方が安上がりだし落ち着くし」と親友はけん制しますが、私には、街角のごくふつうのカフェで一杯のコーヒーを飲みながら、ぼおうっとしていたり、ゆっくり手紙を書いたりする時間が、何よりかえがたいくつろぎタイムなのです。

 ほんとに家で自分でコーヒーを煎れ、リビングのテーブルで読んだり書いたりもできますのに。

 なぜか、街角のカフェに腰をおろしてぼんやりしながら熱いコーヒーを啜る・・・のが至福のとき、となるとまさに「時の変容」!

 自分の家というのは、それなりに自分が女主人として維持、管理する責任があるわけで、のんびりしながらでも、目に入る散らかっている所を片付け始めたり、あるいは片付けなきゃ、と背中を小突かれる気分になり、けっこう落ち着かないのです。

 それが、カフェではどこかに人の目があり、人々の中にいる適度の緊張感はあり、でも、ひとりだけの静かな時間が流れている。

 そんなとき、ふいに思わぬアイデアがやってきて、あわててメモを取ったりします。不思議ですね。

 それは図書館でも、公共のフリー・スペースでもいいようなものですが、また微妙に違うのです、私の場合。

 自分の内側に深く深く沈んでゆく、その一番奥底で出会う父なる神さま、「ゆっくりしてていいよ」と言ってくださる。

 運ばれて来た熱いコーヒー。後片付けもしなくてよい。そんな贅沢な時間を、ときには自分自身にプレゼントしましょう。

 私が私に優しくしてあげられるときなのです。