「ボンビー・ガール」という言葉、一時流行っていたのが、この頃また復活しているとか。
なんのことかと思ったら、貧乏ガールをひっくり返した言い方なんですね。1ヶ月の食費は5千円、生活費2万5千円であげるのだそうです。M子さんが激白してくれました。
ガールといっても40代も終り、就職活動をしても正規の就職はかなわず、アルバイトで「食いつないでる」そうです。世界中おしなべて貧富の格差社会、「どん底までいったら、こわいものがなくなりました」と彼女はほがらかです。
「いよいよとなったら、路上生活しようかしら。今までは、路上生活の人達に、炊き出しのとん汁なんか作って配っていたんだけど」とあっけらかんとしています。
神は与え、また取り給う。とのヨブの物語を地でいって、ほんのちょっとした身内の失敗で、連帯保証人になっていた彼女は、無一文になってしまいました。強気の彼女は、「これも時のしるしよ」とうそぶいているので、こんな時に使うものかなあ、とハテナ顔の私です。
貧しくされて初めて、貧しく小さくされた人達のことを思いやることがどういうことかわかった、と彼女は言います。
可哀相に、と上から目線で品物をあげたり、目には見えない線引きをしたりしていたことが、どんなにあの方達を傷つけていたか、つらい思いをさせていたか、と。
人生の勝ち組とか、負け組といった線引き。
イエスさまはどんなに貧しく弱く、しいたげられている人達をいつくしまれ、愛されたか。決して上から目線なんかじゃなかった。弱く貧しければ貧しいほど、お愛しになった。
「わたしもあの人達の仲間よ。今は。だから一緒に生き抜いていきます」と、今までになく、キッとした表情で彼女は言ったのです。