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時のしるし

中井 俊已

今日の心の糧イメージ

 締め切りというものは有難いものです。

 私などは、仕事を頼まれ「いつでもいい」と言われると、すぐには取り掛からず、そのうち頼まれたことさえ忘れてしまうことがあります。ところが「何月何日までに」と言われると、違ってきます。それなら、今日から取り掛からなければ間に合いそうもないとわかると、自然と動けるのです。

 考えてみれば、私たちのまわりには、締め切りがたくさんあります。

 学生であれば、宿題、レポートの提出日、試験の時間など。社会人であれば、受注した品物の納品期日、書類の提出日など仕事上の締め切りがあります。

 時間の活用のうまい人は、この締め切りを上手に利用します。計画をきちんと立てて、「今日できることは、今日しよう」と早め早めに取り組みます。そうして、どんどんよい仕事を果たしていくのです。

 

 また、私たちの長い人生の節目節目にも、締め切りがあります。

 学生なら卒業、社会人なら定年退職も、一種の締め切りのようなものです。これらの締め切りは、あらかじめ日時が知らされているので助かります。それまでに時間がどれくらいあるかわかるので、計画を立てやすいのです。

 わからないのは、人生の締め切りです。30年先かもしれないし、1年先かもしれないし、ある日突然やってくるのかもしれません。

 しかし、人生の締め切りは、例外なく私たち全員を待っているのは確実です。

 その時に、できるだけ人生に悔いを残したくはありません。そのためには、一日一日の過ごし方が大切でしょう。

 神のみ前で、自分の今日一日を振り返り、「ああ今日も良い時間を過ごせました。ありがとうございます」と言える日々を送っていきたいと思います。