私の場合、ものを書くことが仕事なので、出版社の人たちには大変お世話になった。
また、結婚してからは、夫や夫の両親をはじめ、ゆかりの人たちにも支えられた。ひとり息子にもずっと支えられている。
4年前、大腸ガンで手術入院の時には、お医者さん、看護師さん方をはじめ、多くの病院関係者の方に、心とともに身体の支えを受け、今も受け続けている。
物質の面では、毎日の衣・食・住、すべてそれぞれの人に支えられている。お米を食べる時、魚を食べる時、野菜を食べる時、それらに関わった人のことを思い、口に運ぶ。
ありがたいなと思いつついただくのである。
よくよく考えると、これらすべて、神さまからのいただき物であることを忘れてはいけないと思う。
私の母は何事にもよく感謝する人であった。
元気な頃は人の支えになり続けた人であったが、晩年、病気になってからは、「まわりの人どんに迷惑ばかりかけて、申し訳なか」といっては泣いた。
しかし、すぐに気をとりなおして、「今は、身体では何も出来んばってん、心は生きちょっけん、みんなのためにお祈りだけは欠かさんとしとっとよ」と、死ぬまでお祈りでゆかりの人の心を支えた。