そこでは、入所者の方々はいろいろな家庭環境、人生体験などを話してくださり、こちらの方も、私の仕事場での出来事やギターが少し出来たので、流行歌を一緒に歌ったりして楽しくやっていました。
その施設での最後の日、皆さんにお別れの挨拶をしていると、一人の入所者の青年から「松浦さん、今度いつ来てくれますか?」とお声がかかりました。わたしはびっくりして、「楽しかった?」と聞き返してしまいました。「うん、とっても楽しかった。だからまた遊びに来てくださいね。」との返事でした。その言葉に、わたしはすぐににこにこして「また来るからね!」と即、返事をしたのです。
実は、その施設に行く前、私は自分の性格の押しの弱さから会社に大きな損害を与えてしまい、また人間関係も最悪の状況でした。だから、「私はたいした者で無い。駄目な人間なんだ。」と思い込み、気が塞いでいたのです。
彼のその一言は、私にはまだまだ自分を必要としてくれる人がいる、という自信が持てる救いの言葉になりました。
私はこの体験を忘れずに、人々に希望を与える言葉を語れる人間になりたい、という信念に支えられているのです。