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わたしの支え

松浦 信行 神父

今日の心の糧イメージ

 若いときにある方から勧められて、自然の環境が素晴らしい身体障害者の施設に、何泊かボランティアをするために行ったことがあります。夕方までは職員の方がたの補助として、食事の介護や、おむつたたみ、ベッドの移動などの作業がありました。

 そして、仕事が終わる1時間前からは、意識がしっかりしている青年のところに入って、話し相手をするようにとの指示がありました。きっと毎日毎日同じ人が関わるため、新しい刺激が必要になるんだろうなと自分なりに考えました。

 そこでは、入所者の方々はいろいろな家庭環境、人生体験などを話してくださり、こちらの方も、私の仕事場での出来事やギターが少し出来たので、流行歌を一緒に歌ったりして楽しくやっていました。

 その施設での最後の日、皆さんにお別れの挨拶をしていると、一人の入所者の青年から「松浦さん、今度いつ来てくれますか?」とお声がかかりました。わたしはびっくりして、「楽しかった?」と聞き返してしまいました。「うん、とっても楽しかった。だからまた遊びに来てくださいね。」との返事でした。その言葉に、わたしはすぐににこにこして「また来るからね!」と即、返事をしたのです。

 実は、その施設に行く前、私は自分の性格の押しの弱さから会社に大きな損害を与えてしまい、また人間関係も最悪の状況でした。だから、「私はたいした者で無い。駄目な人間なんだ。」と思い込み、気が塞いでいたのです。

 彼のその一言は、私にはまだまだ自分を必要としてくれる人がいる、という自信が持てる救いの言葉になりました。

 私はこの体験を忘れずに、人々に希望を与える言葉を語れる人間になりたい、という信念に支えられているのです。