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わたしの支え

シスター山本 久美子

今日の心の糧イメージ

 「神様は、一つの扉を閉じられると、別の窓を開かれる」という諺があります。これは、私の生きる支えになっている信条です。

 近年、いくつもの大きな災害が起こりました。「神様がおられるなら、どうしてこのような悲惨な事態が起こるのか」という思いを誰もが心に抱くことでしょう。私自身、そのように感じ、神様に祈り、問うています。いつの時代にも、不条理としか言いようのない不幸に苦しむ人々がたくさんいます。神様は、本当にそんな人々を顧みてくださらないのでしょうか。

 神様は、私たちに、いろいろな方法で御自分の愛を示し、どんな時も、共にいて導いてくださる方です。しかし、神様のなさり方は人間の思いを越えるプロセスを辿ることが多いのだと思います。

 ともすれば、私は、スムーズに物事が運ばず、自分の思うようにならないような場合に、劇的に事態が良い方向に向いたり、目に見えるはっきりとした「しるし」を求めたりしがちな自分に気付きます。しかし、神様は、実に自然に、ある意味では巧妙に、よく注意しなければ、気付かず通り過ごしてしまいがちな日常の出来事の中に溶け込むように、私たちの存在を根底から支えてくださっていると、私は感じさせられています。

 私たちは、日々、何気なく出くわしている出来事や、関わっている身近な人々から、どれほど神様の愛を受け取っているかに、気付いているでしょうか。目の前の厳しい現実の中で、何の希望もないと感じる時でさえ、思いもよらない人に出会って、小さな親切を受けたり、励まされたり。時には、目を上げて、心を開いてみると、必ず違う世界が開かれているのだと、私は信じています。