詩人で童話作家のエリナー・ファージョンによる「ちいさなもののいのり」は、こんな言葉で始まる。
「かみさま、どうぞちいさなものたちをおまもりください。/まだはねのはえていないものたちを。/おおきくなって つばさをひろげ/おおぞらをおもいのままにとべるまで。」
子どもたちはまだ飛べない。けれども、いつか大空を自由に飛べることを信じ、希望を持っている。私たち大人は、子どもと一緒に子どもの夢と希望も守り育てるのが務めなのだ。それはどんなに嬉しい仕事だろうか。子どもたちが幸福になる姿が見られるのだから。
祈りはこう結ばれている。「このちいさないのりをどうぞおこころにとめてください。/あなたのおまもりをねがう/おおきなものたちのいのりとおなじように」。そう、子どもたちが祈るのは、大人たちが祈る姿を見るからなのだ。
まず私たちが祈りたいと思う。子どもたちが幸福であるように、その手助けをすることが、私たちの幸福でもあるように。そう祈る時、合わせる掌はよき願いを包み、灯のように明るむことだろう。