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共にいる神

崔 友本枝

今日の心の糧イメージ

 聖書の中で神はインマヌエルと呼ばれています。それは「共にいる」という意味です。神さまはどんな時も私たちと一緒にいてくださる「人生の伴侶」です。

 私がエッセイや小説を書く時、神さまは私のそばにいて、アドバイスしてくださいます。神さまが望んでおられることと私の考えが違うとき、それにも気づかせてくださいます。そんな時は改めて聖書を読み直し、心に浮かんだことをメモし一から書き直します。これを書けばいい、とわかるととても安心です。

 どんな人のそばにも神は共にいて語りかけておられますが、神はあまりにも謙虚な方なので、私たちはそのお声を聞こえていないかのように無視してしまうことがあります。自分だけの考えで事を押し進めたいと思うなら、神のお考えは反映されませんので、結果が良いはずはありません。しかし、神さまと一緒にするならばどんなこともまったく違う結果が出ます。

 神のアドバイスを受けるには、まず心を子供のようにしてお父さんに聞くように尋ねることです。私に教えてくださることは何でも実行しようと決めて祈りながら待ちます。祈りの中で気づいたことをノートに記し、更に祈って確かめます。気づきを実行しようと考えると、心に温かい手ごたえを感じるか、あるいは緊張を感じるかも判断材料になります。神からの勧めは、励ましや温かい感触を伴うからです。

 しかし、私たちにとって最も難しいのは初めの一歩でしょう。

 自分は一人では何もできないのだ、という自覚です。

 フランスの聖人テレーズが偉大なのはこの点です。彼女は「小さい子ども」であることに満足し、一生涯、謙虚さに留まったからです。