ある時、仔馬が産まれた。仔馬は起きている時にも、眠る時にも母馬にぴったりとついて、片時も離れることがなかった。少しずつ歩く練習をするが、その時でさえ、母馬に仔馬は体の1部をつけていた。走る時にも母馬のそばに寄りそっていた。次第に母馬と仔馬は少し遠くまで出かけるようになった。
ある朝、祖父の一家は、馬の親子が仲良く走っていく後ろすがたを見送ったという。しばらくして、仔馬が1頭で走ってきて、庭先で急を告げるいななきをした。母馬のそばを離れたことのない仔馬なので、何かあったのだと、家中の者が仔馬の後を追いかけた。するとそこは水草が絨毯のように浮いている沼だった。母馬は沼でもがいていた。沼はもがけばもがくほど泥がまとわりつき沈んでいく。皆で母馬を助けようと様々なことをしたが、ついに沈んでしまった。
私にとって祖父の話は、仔馬が母馬の急を告げにきたところで止まっていた。今、自分自身の祈りをふり返って見ると、馬の親子の話がよみがえってきた。
朝起きたら、主イエスのもとに仔馬のように駆けていき、「今日、主イエスが私に望まれることは何ですか?」と自分の思いを超えて聴こうと思った。