クリスマスになると、私たちは、何か小さなクリスマスプレゼントをもらったり、それがなくても、たった1本の赤いろうそくを真ん中にして、母と一緒に、知っている限りのクリスマスの歌を歌って、父の帰りを待っていたりしました。そんな時、あの家の子供たちは、どうしているのだろう、あの奥さんはどうしているのだろうと気が気でありませんでした。
それから約20年経って、結婚して東京の代々木に住んでいる時、アパートの隣にはカトリック教会があって、昔なので、門番の小屋がありました。そこには、ベトナムから逃げてきたボートピープルと言われる人たちの家族が住んでいました。大変な経験をしてきたに違いない家族でしたが、その奥さんの笑顔が忘れられません。話をしたことはありませんでしたがお互いに友達だと思っていました。
クリスマスになると、あの人たちはどんなクリスマスを過ごしているだろうかと思うのです。