実際、刑務所に入れられるほどのことをしでかし、独りぼっちになって反省する中で、あるいは、家族から送られて来た手紙を読む中で、自分がこれまでどれだけ家族を悲しませてきたかに気づく人は多い。
ある人は、「自分のことを構ってくれない」と思いこんでいた親が、どれだけ自分を愛してくれていたか。またある人は、身勝手な理由で犠牲にしてきた我が子が、自分をどれだけ愛してくれているか。と、そのことに気づくとき、その人たちの中で何かが大きく変わる。「これほど自分のことを思ってくれる人たちを、もう2度と悲しませてはならない。これからは、この人たちを幸せにしてあげたい」という決意が、その人たちの心の奥底に生まれるのだ。
愛に飢え、自分が愛されることしか考えていなかった人は、自分がどれだけ周りの人たちを悲しませてきたか、自分がどれだけ愛されているかに気づくときに生まれ変わる。愛を求める人から、愛を与える人に生まれ変わるのだ。愛の中から生まれてきた人間は、愛の中でこそ生まれ変わる。それが、1つの真理であるように思う。