2018年11月20日の心の糧


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分岐点

堀 妙子

今日の心の糧イメージ 以前、ローマでバスに乗ろうとした時、長い列ができていたので、次のバスに乗ることにした。見晴らしのいい座席に座って、壮麗な街並みを見ながら目的地に行こうと思っていた。前のバスは満員で出発し、次のバスに1番に乗り、窓側の良い席に座った。最後にお年を召した方が乗って来た。すると乗客の何人かが、私に向かって「席をゆずれ」と叫んでいる。心の中で「この席に座るために1台見送ったのに」と思いながら、しぶしぶ席をゆずった。

 

以来、私のバスのマナーは良くなった。できるだけ、乗る際には運転手さんに「おはようございます」とか「こんばんは」と挨拶し、降りる時には「ありがとうございます」と感謝することにしている。また、同時に停車しているバスのそばを、猛スピードの自転車が通り過ぎることがあるので、お体の不自由な方とは手をつないで一緒に降りるようにしている。

 

ただ、電車ではどうかというと、なるべく座りたいと思い、周囲の状況を見ることを忘れてしまう。特に友人と一緒だったりすると、つい友人との席を確保しようと盗塁をするように走って席を取る。それを改めよう。友人と乗った時には静かに話そう。無意識のうちに特定の人を、じっと見る癖をやめよう。自分が怪我をしている時には別だが、優先席にはなるべく座らないようにしよう。携帯電話は電源を切って乗ろう。そして、あたりを見回して、座れるなら幸せと思うことにした。

こうして、遅すぎる気づきだが、マナーを守って爽やかに乗れるようになった。

バスと電車に乗る時の態度を改めたのは、私にとって人生の分岐点となった。なぜか私の人生は好転してきた。1人で突っ走るのではなく、一緒にすることを優先するようになったからかもしれない。