私はその時、周囲の女の子たちから、自分がすっと離れていくのを感じた。まるで目に見えない分かれ道があって、1人だけ別の道を歩き始めたような具合だった。その道は、女の子たちがいる楽しげな道とは違って、暗く険しい。人の悲しみを通る道だった。それが分かった。自分のような未熟者には何も出来ないかもしれない、でもこの道を知っているからには、この道を歩くという気持ちが湧いた。不思議な瞬間だったと思う。
生きる悲しみは長く続くこと、だが、幸福が思いがけない姿で、道々に待っていることなど、その頃は、まだ分かっていなかった。