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まわり道をしても・・・

中井 俊已

今日の心の糧イメージ

山登りをするとき、山頂に至るルートはいくつもあります。

登る人によってペースも違います。難なく登って行ける人もいれば、息を整え休み休み登る人もいます。なかには路傍の石や木の根っこにつまずいたり、道に迷ったりすることも、天候が悪くなって岩陰で雨宿りしたりすることもあるでしょう。

けれども、どれだけ時間がかかっても、歩き続ければ山頂に辿り着けるものです。そして山頂から自分の歩んできた道を振り返るとずいぶん遠まわりの歩みだったと気づくでしょう。

人生はきっと登山のようなものです。

目的地である山頂には、永遠の幸福、天国が待っています。

山頂に至るルートはやはりいくつもあり、歩み方も人それぞれです。たとえば、殉教によって至った人もいますし、修道生活をまっとうして、また普通の生活の中で隣人愛を実践して達した人も大勢いるでしょう。

しかし、天国の住人の中で、自分がまっすぐに登りきったと思っている人はほとんどいないのではないでしょうか。

聖人と言われた人たちも、この世を旅する間は、道に迷い、つまずき、苦しみ、何度も倒れました。しかし、その度に悔い改め、許され、立ち上がり、最後まで神様と共に歩むことができたのです。

「ずいぶんまわり道だったのですね」と尋ねれば、「本当にそうでした」と微笑みながら答える人が多いでしょう。

いまこの世を旅する私たちもきっとそうです。天国という山を登る旅路は、どれだけまわり道をしても、神様といっしょなら大丈夫。

神様は最高の登山ガイドで、最高の友達です。共に歩むなら、苦しくとも楽しく有意義な時間が過ごせます。そして、必ずや目的地の天国に辿り着けるのです。