2018年10月29日の心の糧


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わたしの故郷

松浦 信行 神父

今日の心の糧イメージ 20歳前後に、友人が私に、「おまえどことなく田舎の雰囲気が漂っているなあ」と話しかけたことがあります。その時、「名古屋と京都で育ったんだけど、そういえば小さいとき田舎暮らしだったからかも」と答えていました。すると彼は、「悪い意味じゃあ無いんだよ。おまえどことなくのんびりとゆったりしてるからなあ」と語ったのが印象に残っています。

実は私が2歳の頃、弟が生まれたときに、祖父が福井の田舎へ連れて帰りました。叔父が私の親代わりのように面倒を見てくれて、祖父も私が初孫と言うことでとっても大切に育ててくれたようです。時々祖父が小旅行に連れて行ってくれたり、祖母が畑仕事に私を連れて行ったり、叔父が自動車に乗せてくれたり、別の叔母夫婦が家に泊まらせてくれたり、大変かわいがられて育てられたという印象が今でもあります。

夜中にトイレに行くときには、母屋から離れたところにトイレがあったので、祖父がわざわざ起きてついて来てくれたのを、はっきりとまだ覚えています。

人間、自分を大切な存在として、周りから認められ、関わられたこの小さい頃の体験は、不思議と根強く残っているものだと感じます。それは、人生の中で非常に厳しいときにも、「まだ大丈夫」という自己肯定感を生み出します。

だから、茅葺きの家、家の横にある公民館と広場、そこを流れる小川、その小川でタニシを捕ったこと、自転車でそこに転落したこと、家から見えるバス通りと川とこじんまりした山、あの故郷を思い出すたびに、自分の中にある「これでいいのだ」という思いを強くしているのです。