故郷はいつも私の心の中にあり、私の思い出や人生の歩みと共にあります。子どもの頃に遊んだお寺や、卒業した小学校、いきつけだったラーメン屋さんなどなどです。故郷を思い起こすと、一気に懐かしい思いで一杯になります。
同時に、苦い思い出もよみがえってきます。
お寺の廊下を走り回ってしかられたことや、小学校の登校時に遅刻しそうになって、毎日走った通学路のこと。また、遊び友だちとケンカしたことなどです。長い時間が過ぎた今となると、少々苦い思い出も、ほほえましい思い出に変わって来ています。
ところで、聖パウロは言います。「すべてのものは、神から出て神によって保たれ、神に向かっているのです。栄光が神に永遠にありますように、アーメン。」(ローマ:11・36)
この言葉によれば、故郷で生まれ過ごした私をお造りになられたのは、神ご自身です。そして、故郷での私の思い出や人生の歩みと共に神さまがおられ、そのすべては神さまに向かっているのです。
究極的には、私たちの本当の故郷は、神のみもとにあり、私たちの人生もすべて神の御手の内にあり、そして、私たちは、神のみもとへと帰って行くのでしょう。そこに神の栄光が輝き出ます。