いよいよコンクールが始まりました。ピアノとバイオリンの演奏、合唱と手話での表現、リコーダーの演奏。プロ、アマ入り乱れての競争です。やがて大沼中学校が登場しました。学生服とセーラー服の16名です。「千の風になって」を歌い終わると群読が始まりました。群読とは、詩や文章を大勢が分担しながら朗読することです。
「私たちが住む大沼は、人口は2000人、牛は15000頭です。スタバもマックもありません。でも、上を見上げればどこまでも青い空、雄大な自然とゆっくりと流れる時間があります。何より、いつも千の風が吹き渡っています。」
観客全員から大きな拍手が響き渡りました。住んでいる大沼を愛している、誇りに思っていることをひたむきに伝えようとしたその姿に、感動したのです。そして、コンクールの最高賞、千の風賞を受賞したのでした。
そのニュースを聞いた私は、私の好きなみ言葉、「あなたがたは世の光である」(マタイ5・14)を思い出しました。Yさんをはじめ友人知人に知らせました。すると、「良かったね」皆一様に笑顔になるのです。大沼中学校の受賞は、積雪1メートル、暗くて寒い大沼の人々に、あかりを灯してくれました。世の光になったのです。