2018年05月12日の心の糧


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愛でる

片柳 弘史 神父

今日の心の糧イメージ 5月のさわやかな風に吹かれながら公園を散歩していると、あちこちでスズメの親子連れと出会う。巣立ってもすぐに自分で餌を探すことができないスズメの子どもたちは、しばらくのあいだ家族で行動し、親鳥から餌をもらって成長してゆくのだ。親鳥より一回りくらい小さな若鳥たちが、草むらで餌を探している親鳥のあとを、ちょこちょこと追いかけてゆくすがたは、なんとも愛らしく、見ていて飽きない。中には足が少し曲がっていてうまく歩けない子スズメや、毛がところどころ抜けてしまっている子スズメもいるが、そんな子スズメたちこそ、「がんばれ」と心から応援したくなる。どんな姿だろうと、精一杯に生きようとしている鳥たちの命は、それだけでたまらなく愛おしい。

神さまも、きっと同じようなまなざしで天国からわたしたちを見ておられるに違いない。自分では何もできない子スズメのようなわたしたちが、ときに転び、ときに迷いながらも精一杯に生きようとしているのを、神さまは天国からやさしく見守ってくださっている。そして、「がんばれ」と心からのエールを送り、必要なときには助けを与えてくださるのだ。

「何をやってもうまくゆかないし、こんなわたしでは神さまでさえ愛想をつかすに違いない」と、つい考えてしまうこともあるが、そんなことは決してないはずだ。何もできない子スズメたちでさえ、ただ精一杯に小さな命を生きようとしているだけで、たまらなく愛おしく見える。まして、精一杯に生きようとしているわたしたちを、神さまが見捨てることは決してないはずだ。子スズメたちに負けないくらい、命を輝かせながら毎日を生きてゆきたいと思う。